鹿児島・薩摩の自然が食にどう結びついているのかを解説します!

鹿児島・薩摩の自然が食にどう結びついているのかを解説します!

活火山で有名な桜島を筆頭に、自然資源が多い鹿児島は、ぜひ訪れてもらいたい人気のある場所です。そんな鹿児島の自然と食の関係について興味をお持ちの方に、今回は薩摩を中心に、情報を紹介していきます。鹿児島には、足を運ばないと体験できない自然があります。薩摩の食とはどういうものなのでしょうか。そして、薩摩の自然が食にどう結びついているのか考えてみましょう。

鹿児島の自然とは

鹿児島には、平地や産地、活火山の桜島や錦江湾などの自然環境があります。主に海沿いの平地と埋め立て地に市街地があり、その周辺はシラス台地に囲まれています。500mくらいの山地が連なっていて、農地や森林は、近隣の薩摩川内市や姶良市などに広がっています。

活火山の桜島には、北側の海沿いに辺りには農地が見られ、広範囲で草原や森林が広がっています。山頂の付近では、植物がほとんど見られませんが、溶岩原では、苔がひっそりと生育し、クロマツやタブの木が林を作り、ススキ・イタドリも見られます。この桜島の溶岩地植生は国の特定植物群に選定されています。

薩摩の自然と食とのつながり

自然豊かな薩摩には、海や山の幸を使ったおいしい料理がたくさんあります。薩摩の気候と水田や稲作に不向きなシラス台地があるため、さつまいもや雑穀を中心とした食生活を強いられたことも薩摩料理などに影響したと考えられています。

薩摩の気候

薩摩は、温暖な気候と台風被害が大きいことで知られています。「薩摩」の「芋」と書くさつまいもですが、地上に葉をつけ、実がなる作物ではないため、比較的風害に強く、台風がよく発生する鹿児島県においては、この風害に強いという点が他の作物よりも顕著だったため、さつまいもの一大産地として成長したのです。

また、温暖な気候を活かしたのは、かごしま茶です。さわやかな香りとコクのある味が特徴で、かごしまブランド産品にも指定されています。一方、冬が温暖すぎるため、地酒以外の日本酒や米酢は作れず、さつまいもを原料とした焼酎文化と玄米を原料とした黒酢の醸造が発達しました。

薩摩の農産物

鹿児島県では生産量が全国1位になっているものがあります。豚・肉用牛(黒毛和種)・そらまめ・さつまいもなどです。田んぼより畑の面積が広く、薩摩のシラス台地の周辺部には3,000か所以上の湧水が確認されており、湧水に恵まれた低地は水田として利用されました。そのような自然の中でのさつまいもの栽培には、水はけのよい火山灰を含んだ土地が適していますが、薩摩はそのような土壌が広がっています。

シラス台地

シラス台地は数々の火砕流によって造られた地層です。さらに、鬼界カルデラから噴出したアカホヤや、桜島・霧島山などから噴出した新期火山灰などが積み重なってできています。シラス台地に降った雨は、速やかに地中に浸透してしまうため、台地上には川・湖・沼などの水源はありません。水源が少ないシラス台地の開発は江戸時代以降で、特にさつまいもが栽培されるようになってから急速に発展します。

その他に大豆・アブラナ・陸稲・アワ・ソバ・麦なども栽培されるようになりました。特にさつまいも・大豆・アブラナは、炭水化物・たんぱく質・脂肪の三大栄養素があることで、シラス台地の三大作物となっています。シラス台地は水源の確保がとても難しく苦労がありました。第二次世界大戦後になってから、ダムなどの開発をしたことで、やっと大根・人参・キャベツなどの野菜や、お茶の栽培ができるようになります。

薩摩の海

錦江湾は、約29,000年前の巨大噴火によって大量のマグマが、噴き出して地下が空っぽになったことで地面が落ちてできた姶良カルデラと、そのもっと前に作られた阿多カルデラに海水が入り込みできたものです。薩摩半島と大隅半島に挟まれている湾で、その大きさは東京湾とほぼ同じといわれています。錦江湾は、湾の北部には桜島が位置し、深いところで200m以上の深さがあります。

錦江湾には、ミナミハンドイルカや約1,000種類の魚が生息しており、中央部の海域には、サンゴ類が生息するなど、生物が多様に生息していることが国の「重要海域」として認められました。また沿岸部には、アコウ群が見られることが国の「特定植物群落」として認められ、両方とも選定されています。

イルカは1日10~15㎏のエサが必要ですが、そんなイルカが飛び跳ねる錦江湾は、魚が豊富な海であるといえます。また、黒潮が流れ込むので、メジャーな魚からめずらしい魚、巨大魚まで狙えることから、釣り人にも人気がある釣りスポットでもあります。春先には、産卵のために湾内に入ってくる真鯛を「サクラダイ」と呼びますが、脂ののった美味なサクラダイは人気です。

沖縄料理や奄美料理の影響

薩摩は、九州の南端に位置していることから、日本の他の地方から地理的に離れ、沖縄や奄美料理の影響もあり、独特の食文化があります。黒砂糖・ヘチマ・苦瓜を使った料理などです。また薩摩では、奄美料理で使用する粒味噌を基本としているため、風味に違いがあるのです。

まとめ

まずは、薩摩料理を体験しましょう。鹿児島や薩摩の自然で育まれた食文化を体験したいと思ったら、鹿児島に行くのもいいのですが、薩摩料理専門の居酒屋は、現地同様十分に楽しめる場所です。美食道 錦江湾では、鹿児島出身の店主が素材にこだわった薩摩料理をリーズナブルな料金でご提供いたします。地元のお客様からも大変ご好評いただいており、気軽に薩摩料理を堪能できます。

食文化は、その土地や自然にふさわしいかたちで作られていくものです。ですので、政治・経済的なものではなく、自然や風土的なものに左右されてきたといってもいいでしょう。「美食道 錦江湾」では鹿児島・薩摩の自然ではぐくまれた料理を提供しています。楽しく薩摩の食を体験できるよう、従業員一同心を尽くさせていただきます。ぜひお立ち寄りください。